ポストユビキタス社会のアートの知覚「バニシング・メッシュ」YCAMにて

2月18日から YCAM 山口情報芸術センター にて「バニシング・メッシュ」が始まる。本展示は、サイン・ウェーブ・オーケストラと、菅野創+やんツーの2組のアーティストによる新作インスタレーション展。
 
展覧会タイトル「バニシング・メッシュ」とは、技術革新によって見えなくなっていく様々な境界線や囲いを暗示している。どこにいてもネットワークに接続できるユビキタス社会の実現は、スマートフォンの普及により加速し、時間や場所を問わず、多種多様な情報に アクセスできる環境を私たちにもたらし、本展覧会は、進化するIoTなどに即時に適応していくポストユビキタス社会において、テクノロジーを導入した芸術表現の刷新によって、現在の情報環境を批評していく試み。
 
初日にはオープニングライブを開催するほか、会期中にはギャラリーツアーも開催とのこと。
ポストユビキタス社会から感じる新作インスタレーション。ぜひご注目いただきたい。

バニシング・メッシュ
会場:YCAM 山口情報芸術センター
スタジオA・スタジオB・ホワイエ・地下スペース
会期:2017年2月18日(土)〜5月14日(日) 10:00〜19:00
休館日:火曜日
料金:入場無料
主催:公益財団法人山口市文化振興財団
後援:山口市、山口市教育委員会
平成28年度文化庁 文化芸術による地域活性化・国際発信推進事業
助成:公益財団法人 花王 芸術・科学財団
機材協力:フォステクスカンパニー
共同開発:YCAM InterLab
企画制作:山口情報芸術センター[YCAM]
展示作品
 
菅野創+やんツー
Avatars

本作は、電話やカラーコーン、石膏像、車、植物など大小さまざまなオブジェクトで構成されるインスタレーション作品です。 空間に配置される日常的なオブジェクトには、カメラ、マイク、モーター、小型コンピューターなどが組み込まれ、インターネットに接続されており、鑑賞者はウェブブラウザから各オブジェクトにログイン(憑依)して作品を体験することが可能です。自分の身代わりとして存在するアバターは、仮想空間ではなく物理法則が支配する現実空間に存在し、そこには生身の人間(観客)も存在します。IoTに代表されるようにあらゆる物がネットワーク化され、人工知能が成熟しようとしている現在、自律性を持たない無機物である物たちが、意思を持った者となり世界を知覚し動き出した時、そこに立ち上がってくる新たな関係性を観察する作品です。
 
サイン・ウェーブ・オーケストラ
The SINE WAVE ORCHESTRA stA (仮)
これまでの作品の根幹であった直接的な観客の参加の意味を、「参加型アート」が一般的になった現在改めて問い直します。様々な人々の手により自由に形作られた情報を素材とし、一つのサイン波に視覚・聴覚的に還元されたそれらの集合から、訪れた人々は各々のシグナルを読み解きます。
 
The SINE WAVE ORCHESTRA stB (仮)
訪れた人が一つずつサイン波を空間内に配置することで、それらの音が互いに重なり合い、会期を通じて変化しながら鳴り続け ま す。「The SINE WAVE ORCHESTRA stay」(ICC/2005)などでの試みを大きくアップデートした作品です。
 
The SINE WAVE ORCHESTRA basement (仮)
YCAMの地下へと繋がる空間で展開される作品です。空間の特性によって導き出された特定の周波数のサイン波によるバリエーションが複数のスピーカから鳴っています。その音は、聴取する位置によって動的に変化し、訪れた人それぞれに対し個別の体験を生み出します。