サイエンスやアートを横断し将来生殖や家族コミュニティを問いかける。長谷川愛『Second Annunciation』

1月28日より ART&SCIENCE GALLERY LAB AXIOM にて、長谷川愛『Second Annunciation』が始まる。長谷川愛は、IAMAS(岐阜)Royal College of Art(UK)MIT Media Lab(USA)を卒業し、メディアアート、バイオアート、スペキュラティブデザイン、現代美術などの幅広い分野で活動しているアーティスト。その作品は、国内外で受賞し注目を集めている。
 
本展覧会では、日本未発表である「I Wanna Deliver A Dolphin」〈私はイルカを産みたい/2013年〉と「shared baby」〈シェアードベイビー/2011 年〉を出展。
 
展覧会タイトルにもある「Annunciation」は処女マリアに天使ガブリエルがキリストの受胎を告知する絵画の英語タイトルであり、今回の「Second Annunciation」は、「2度目の告知」を意味する。展示される二つの未発表作品は、共に性交を介せず、科学技術の発展により従来とは大変異なる方法で子どもや家族を作るものとして制作されている。
 

「I Wanna Deliver A Dolphin」〈私はイルカを産みたい/2013年〉

 
絶滅危惧種のイルカを人間の女性が代理母と子供として、もしくは将来の食料として出産する「I Wanna Deliver A Dolphin」と、3人から5人程の遺伝的な親を持つ子を持てる様になった場合、どの様に子供をシェアするのかを問う 「shared baby」といった作品を通じて、将来生殖や家族、子育ての基準がどれほど変わりうるか、現在と異なる「希望」と「懸念」を与えうるか告知している。
 
メディアアート、バイオアート、スペキュラティブデザイン、現代美術といった様々なジャンルを横断し、私たちに投げかける問いをぜひ感じていただきたい。

バイオアート―バイオテクノロジーは未来を救うのか。
ウィリアム・マイヤー
ビー・エヌ・エヌ新社
売り上げランキング: 67,000
スペキュラティヴ・デザイン 問題解決から、問題提起へ。—未来を思索するためにデザインができること
アンソニー・ダン フィオーナ・レイビー
ビー・エヌ・エヌ新社 (2015-11-25)
売り上げランキング: 11,125
ART&SCIENCE GALLERY LAB AXIOM 長谷川愛『Second Annunciation』
会場:ART&SCIENCE GALLERY LAB AXIOM
会期:2017年1月28日(土) ― 2017年2月25日(土) 13:00-19:00 日月祝休廊
アーティスト・レセプション: 2017年1月28日 (土)19:00-21:00
長谷川愛
日本の現代美術家/デザイナー。静岡県生まれ。東京とボストンを中心に、世界中でアートとデザインの活動を行う。
IAMAS、RCAを経て、2014年よりマサチューセッツ工科大学メディアラボのデザイン・フィクション・グループにて研究員を務める。
「Expand the Future(未来を拡張する)」というコンセプトのもと、アートやデザインを用いて日常の当たり前に問題提起を行う。その手法はスペキュラティブ・デザイン(Specurative Design)と呼ばれ、未来の起こりうる姿を提示することで、社会に重要な問いを投げかける。科学技術の発展に伴う倫理的課題など、作品が扱う社会的テーマは広範に渡るが、近年はバイオテクノロジーの進歩がもたらす未来の生殖や家族のあり方について問う作品を多く発表している。

image via 「I Wanna Deliver A Dolphin 」〈私はイルカを産みたい〉2013年
ビデオ、イルカロボット、石膏、シリコン、3Dプリント、アクリル、 デジタルプリント