【REPORT】2年を経て進化を遂げて帰ってきた、
蓮沼執太「ミュージック・トゥデイ・トーキョー・2015」

8月6日、蓮沼執太の「ミュージック・トゥデイ・トーキョー・2015」が進化を遂げて帰ってきた。2年ぶりの開催となり、これまでとは異なる壮大なコンセプトが体現されている。今回は、4日連続5公演という「ミュージック・トゥデイ」史上最大のボリューム。純粋な音楽を奏でるだけではなく、現代アーティストたちによる領域横断的パフォーマンス、雑誌「疾駆」とコラボして日本の美術家、映画監督、ジャーナリスト、批評家たちと日本の芸術の現状を考えるトークイベント、映像上映までを行う、複合的アートパフォーマンスイベントとなっている。
 
初日の6日のテーマは、『音楽と絵画と映像とダンスと詩による、初日』。

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開場時からスタートしたのは、石田尚志 x Nerholによるライブパフォーマンス。このライブパフォーマンスのバックで、制作にドライブをかけるような音による空気を蓮沼が即興で創り出す。石田尚志 x Nerholの練りながら掘っていくパフォーマンスを観客は固唾を飲んで見守っていた。

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そして、疾駆/chicの菊竹寛がモデレートする、五木田智央を招いた『酒と絵』についてのトークへと続く。五木田と蓮沼執太のクリエイションへの姿勢が語られた。彼らが同じく口にしたのは、「完璧さというのは一切ない。常に何かを追いかけ続けている。」という言葉。設計図通りにいかないことは見越した上で、何度も作っては壊していくプロセスこそが彼らのクリエイション哲学なのだろう。

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続いては、詩人である大崎清夏 + 音楽家の木下美紗都 + 石塚周太 + ダンサーの福留麻里の4名による新作パフォーマンス作品『海に帆をしまう』の上演が行われた。彼女ら曰く、「詩と音楽とダンス。あるいは、4人で組みたてる船。壁越しに海を見晴らし、賢い楽器と作業する。」。演出家のない作品づくりの難しさと同時によろこびを味わい尽くしながら作られた作品で、東京湾に面したGallery916だからこそできるパフォーマンスだった。

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最後に、ギタリストに石塚周太を迎えた、蓮沼執太のデュオとしての音楽パフォーマンス。シンプルな編成でありつつ、ヴォーカルセットだったこともあって、観客はすっかり引き込まれてしまった。『音楽と絵画と映像とダンスと詩による、初日』というテーマにマッチする、一歩目に相応しいパフォーマンス。これから、7日(金)『五感を研ぎ澄ます、一夜』へと続き、8日(土)『真夏の昼間、身体と音楽と映画』、9日(日)『真昼と夜の、生楽器の調べ、フィルからの』」というフィーナーレへと繋がる、大きな物語になっている。

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初日のトーク中、五木田のドローイング論と蓮沼の音楽論が重なったときがあった。
 
五木田「自分はエキシビションで進化していくのを感じてきた。アトリエの中で創るものと、飾ったときに見えるものが違うことがある。そのギャップをエキシビションで実感したときにこそ自分の進化がある。」
 
蓮沼「今日から始まるミュージック・トゥデイのような様々なことを起こす場では、完成というのとは違う軸で進ませたい。理想に向かうというのとは違い、自分がその瞬間の緩衝材となれることが重要だと思っている。」
 
五木田、そして蓮沼にとっても「現場」があるからこそ、その瞬間の最高美を目指し、進化するものということ。そして、その現場とは「ミュージック・トゥデイ・トーキョー・2015」に他ならない。蓮沼を中心とする「ミュージック・トゥデイ・トーキョー・2015」は、この4日間で確実に進化していくはずだ。
 
その瞬間にしか味わえない、蓮沼執太「ミュージック・トゥデイ・トーキョー・2015」。8月9日(日)まで続く、4日連続5公演の史上最大のボリューム。この機会にぜひ注目して頂きたい。チケットは、peatixにて販売中だ。

ミュージック・トゥデイ・トーキョー・2015Music Today in TOKYO 2015
日程:2015年8月6日(木)〜9日(日)
会場:Gallery 916(〒105-0022 東京都港区海岸1-14-24 鈴江第3ビル 6F)
開場/開演時間:19:00 / 19:30(8月6日・7日)
        14:00 / 14:30(8月8日)
        14:00 / 14:30、19:00 / 19:30(8月9日)
料金:前売り ¥4,320円
枚数限定ノベルティ付全公演フリーパス ¥16,200 (いずれも税込、ドリンク代別)
チケット:peatixにて販売中
ライブ出演:大崎清夏×木下美紗都×福留麻里×石塚周太、コトリンゴ、
環ROY×蓮沼執太×U-zhaan feat. 島地保武、空間現代、
平山昌尚×蓮沼執太(パフォーマンス)、
蓮沼執太のアンプラグド(蓮沼執太、石塚周太、イトケン、ゴンドウトモヒコ、千葉広樹、
鈴木絵由子、手島絵里子、宮地夏海、吉野友加)
トーク:五木田智央、吉増剛造、保坂健二朗、三宅晶、結城秀勇、菊竹寛ほか
ケータリング:yoyo.
ショップ:sakumotto
グッズ:Noritake、大原大次郎
問い合わせ:株式会社グーテンベルクオーケストラ

Photo / Writing: KEI FUJIEDA