【FUTURE】北海道に行ったことのない人に贈る、北海道6日間の旅 PART3 – Final –

さて、今回、「北海道6日間の旅」の第三弾&最終回。初回では北海道内のコストパフォーマンスの高い美味しいものをご紹介し、二回目では旅のお話やアウトドアアクティビティーをご紹介しました。今回は、北海道のクリエイティブカルチャーを中心にご紹介しようと思います。北海道初経験者の目線ではありますが、だからこその目線でご紹介できたらと思います。
 
札幌は若さが集約される土地柄?

hokkaido_part3_1

札幌が一大都市だというのは百も千も承知だったのですが、せいぜい東京を小さくしたレベル、更に言えば名古屋や大阪的の規模感を少し抑えた程度で、そのような活気なのだろうという偏見たっぷりに札幌に乗り込んだわけですが、賑やかさという点で覆されてしまいました。北海道旅行の初日、札幌駅近辺をぶらぶらしていたんですが、若い人がかなり多い印象なんです。特に10代後半から20代前半がかなり多かった、という印象。中心地ですし、原宿だってそのようなものなのでなんとも言えませんが、思わず「札幌は若い街なのかも」ってメモしたほど。勿論、あくまで印象レベルではあります。
 
ですが、調べているうちに面白いデータを発見しました。平成21年度の若干古いデータになりますが、がくたまという大学情報を掲載しているサイトを参照してみましょう。ここには都道府県別の大学進学率や都道府県別の他県への入学率が記載されています。実は、北海道出身者の大学進学率は41.3%で全国で下から3番目。これが良し悪しの話ではまったくなく、高校を卒業したらそのまま地元で働く人や専門学校などへ入学する人が多いようですね。じゃあ、その中の大学進学者はというと、なんと、愛知県に続いて全国で2番目、大学進学者の70.10%の人が地元の大学へ進学しているのです。つまり、北海道や札幌は、少子化とはいえ、若い力が地元に残ろうとしている街なんじゃないか。そして、愛郷心の高い土地柄なんじゃないかということ。これが昔と比べてどのように変化してきていこうとしているのかまでは調べ切れていませんが、北海道が6つ以上の県から成るような大きさであることを考えると、おそらく札幌という街は北海道人にとって一つの目的地にあり続けたのはあながち間違いではないのかも。
 
札幌市内に溢れる、東京にすらないクリエイティブマインド
 
そんな若い力が関係してなのか、もしくは上京後にUターンをして舞い戻る人がいるからなのか(他県の大学に進学する北海道出身者の人は東京へと上京する人が多いよう)、札幌市内にはクリエイティブマインド溢れる場所が非常に多かったのが印象的でした。特に、東京と同じコンセプトでも東京よりも早くからあるショップや、東京には見られないコンセプトの場などなど。いくつかご紹介していきましょう。
 

ビールを飲みながら古本を探せる「アダノンキ
hokkaido_part3_2

東京の下北沢に、本を読みながらビールを飲めるB&Bというオシャレ書店がありますが、それがオープンする2012年よりも前からあるのが、アダノンキ。ちなみにアダノンキが提供しているのは、「本」と「ビール」ではありません。「古本」と「ビール」です笑!アダノンキのブログのタイトルには、「古本屋ですが、ビール愛が激しいです。」というコメントが。ビールはいつもお決まりではないようで、いろんな土地のクラフトビールを仕入れているので、ビールが変わる度に本でも探しにいこうかなというのがアダノンキの本来の楽しみ方なのかも。古本を読みながら飲むクラフトビールのうまさは格別でした。
 

人が住んでいるマンションにショップが乱立している「Space 1-15
hokkaido_part3_3
photo via space1-15

Space 1-15は、街中にある古いマンションの中にチーズ屋やアクセサリーショップ、アパレルやクラフトショップなどの20ほどのショップが軒を連ねる変わったマンション。実は未だに住人の方がいるため、入り口がオートロックになっていてマンションに入るときには、目当てのショップ(それがなくても)の部屋のチャイムを押さないと開けてくれないという新しく懐かしい体験付き。3331 Arts Chiyodaにはさすがに人は住んでいないと思いますが、Space 1-15はそれをやってしまうというのが面白いところ。マンションを出るときに、どうやって入っていいのか分からずにあたふたしている観光客の人たちがいたので入り方をご教授すると、へええーーって喜んでらっしゃいました(笑)。

hokkaido_part3_4_2
hokkaido_part3_5
北海道発の世界のクリエイティブカルチャーを紹介するウェブマガジンSHIFTが運営する「ミュージアム
hokkaido_part3_6
hokkaido_part3_7

大正時代に使用されていた船便輸送用の倉庫をSHIFT監修でリノベーションし、2014年に物理的な文化拠点としてオープンした場所。1Fがセレクトショップになっていて、アパレルや雑貨を中心に扱っていますが、個人的に素晴らしいと感じたのが店内のBGMは北海道で活躍するアーティスたちをセレクトしている点。このときに私たちが見つけたのはJEALOUSGUYという女性トラックメイカー。店内で流れていて、へえーこれどこのアーティストですか?って聞いてみたところ、北海道ですという答え。店内で流れている音楽全般が北海道のもので、かつ質のいいものがセレクトできているっていうのは、懐の深さを感じられずにはいられません。旅行時にミュージアムには置いていなかったようですが、例えば、北海道を拠点とするQrionという弱冠20歳の若い女性トラックメイカーの音源も素晴らしい。女子高生時代から作曲を始めたそうですが、現在ではサンフランシスコなどに呼ばれるなど活動領域を国内に留めず活躍しているよう。7月3日は、サカナクション恵比寿リキッドルームでオーガナイズするイベント「NIGHT FISHING」に彼女が登場するようです。

hokkaido_part3_8
北海道6日間の旅の総括

 

hokkaido_part3_9

北海道。日本最高峰の海の幸に裏打ちされる料理の数々に、雄大という言葉が似合う原生林と山々。そして、札幌の、北の大地で生まれ育った若い力が集まる土地の磁力を持つ場所。札幌というのは、東京の真似とは異なる文脈でも新しいものが始められ、試行錯誤され、そして形にすることを好む場所なのかもしれません。しかも、東京のことなどあまり気にせず飄々と。
 
北海道は、1回目で書いた通り、小分けしなければ回れない広い広い土地。でも、そこにはしっかりとした計画はあまり必要ないのかもしれませんね。旅行の初日にディープな宿に泊まってみれば、おのずと行き先も見所も見つかってくるはず。そんな風にして、「北海道を試し」てみるのが良い北海道旅行の醍醐味なんでしょうね。この記事が、「北海道に行ったことのない人」に届いていると嬉しいなと思います。3回分、お読みくださってありがとうございました。

hokkaidotravel_bannerPART1 はこちらから
hokkaidotravel_banner2PART2 はこちらから
guesthouse_banner旅のお供に、札幌のゲストハウス紹介ガイドもぜひ、合わせてご覧下さい。

TEXT: KEI FUJIEDA
PHOTO: KOTARO MATSUMOTO