【FUTURE】北海道に行ったことのない人に贈る、北海道6日間の旅 PART2

さて、前回は旅の前日談として北海道の美味しいところをご紹介しましたが、今回はいよいよ北海道内へ足を運びます。第二回目は、旅行スタイルや宿の話から道東エリアの見どころについてご紹介しています。
 
「旅行」から「旅」への回帰
 
北海道初日は札幌市内のゲストハウス「ゲストハウス樹舎(いつきや)」で1泊。「ゲストハウスか、ちょっとなあ。」って思われるかもしれません。普通ならばホテルを取るところかもいしれませんが、今回はノープランの旅。大まかな行き先は「道東エリアの釧路・知床」で宿や移動は当日に決めるというスタンスでした(笑)。実際、ネット全盛のこの時代には画像検索すれば奥日光のキレイな紅葉は見れますし(たかだかバーチャルなんですけれども)、いわゆるパッケージされた予定調和な「旅行」よりも、予想外の体験、まさに「旅」を求める方が増えているように思います。そんな文脈でAirbnbは人気になってきているようですし、何よりゲストハウスという形態が近年に非常に人気になってきているように感じます。ゲストハウスによってスタイルは様々ですが、共有スペースとしてのソファスペースがあって、そこでは観光雑誌には全く載っていないような情報、近所のオススメのラーメン屋だとか、道東エリアに向かう高速のサービスエリアのベリーソースがかかったソフトクリームが絶品だということや、週末に外国人DJが来るなど、宿泊者が実際に体験してきた生の臨場感ある情報で溢れています。その情報密度は、観光雑誌にもネットにも敵わないでしょう。
 
泊まるべきは「ゲストハウス」
 

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ゲストハウスwayaの部屋の様子 | photo via ゲストハウスwaya
 
そもそも、ゲストハウスには「みんな一緒に寝る、バックパッカー向けの少し汚い安宿」という印象があるかもしれません。ですが、近年では「個室も完備し、デザイン性を維持しつつもカジュアルダウンした宿」へとシフトしてきています。女性一人旅の方、カップル、外国人の方々も非常に多くなってきています。例えば、最終日に泊まった札幌市内の「ゲストハウスwaya」は宿の設備、スタッフ、宿泊者の雰囲気を含め、非常に素敵でした。そして、近くのカフェバーのスタッフが教えてくださった、「サッポロッジ」も素敵とのこと。ちなみに東京の蔵前にも「Nui.」と呼ばれるデザインドゲストハウスがありますね。こんな宿が日本に留まらず、世界中で増えています。日本にはきちんとしたゲストハウス検索のプラットフォームはあまりありませんが、海外旅行ならば、Hostel Worldというアプリは必須でしょう。
今回の旅ではいわゆるビジネスホテルにも泊まりましたが、「初めての場所に行ったらまずいい感じのゲストハウスに泊まる」というのは正しい選択のように思います。特に、ゲストハウスはその土地の良いコミュニティに繋いでくれるハブになりつつありますし、そこに泊まる宿泊者たちも面白い。それにまず触れられるかどうかでその後の旅の質は大きく変わってくるでしょう。ここいい感じのゲストハウスかもと思ったら、ぜひ体験してみてください!
 
やっぱり車での移動の所要時間は読みにくい
 

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さて、初日にゲストハウス一泊後。二日目からは、市内から道東エリア、釧路湿原に向けて本格的に移動開始。Google Mapによると車で約4〜5時間の所用時間とのことですが、GWではカーナビもGoogle Mapの所用時間も全然目安になりません(笑)。高速道路は整備されつつあるものの、実はほとんど一車線で、遅い車がいたらそのままゆっくりと進みます。法定速度よりも遅い車がいると即渋滞。広大な大地なのになんで片側1車線やねんって話ですが、おそらく建設費の問題なんでしょうね。写真のような風景がずっと続きます。そうです、ずっとです。札幌から釧路まで辿り着いたとき、地元の方に「札幌から車で来たの?そりゃーごくろうさん!」なんて言われ、地元の方々も車で移動するときには覚悟をもって移動されるそう(笑)。結局、朝10時半に出発して釧路に着いたのは夕方17時半頃。約7時間ほどかかりました。
 
日本最大の湿原、釧路湿原で北海道の原野を見る
 

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釧路湿原での目的はキャンプと釧路川を下るカヌー。釧路湿原は、日本最大の湿原で湿原そのものが国の天然記念物に指定されているため、開発される前の北海道らしい景観を維持できています。湿原自体の総面積は18,290haというよく分からないレベルの広さですが、調べてみると、なんと埼玉県大宮市から東京都品川区までがすっぽりと収まってしまう大きさ!もともと、1960年代にタンチョウの繁殖地として天然保護区域に指定され、1980年代にラムサール条約登録地に、後に湿原周辺を含む約26,861haが国立公園に指定されたよう。5月初旬の釧路湿原は、実は春になったばかりで夜は一桁台まで気温が下がります。雪解け水によって釧路川に流れが生まれ、その流れが風を生み、ミネラルが土に染み込んで、冬に枯れて倒れた木からまた新しい芽が生まれる、そんな光景で溢れていました。ガイドをお願いした塘路(とうろ)ネイチャーセンターの方によると、釧路湿原のベストシーズンは「いつも」なのだそう。ネイチャーガイドの方々って基本的にあまり多くを語らない寡黙な方が多い印象がありますけど、彼らが都会から釧路にわざわざ移住したなんて事実を聞くだけでやっぱりその魅力は増すのでした。ガイドの方々全員が着ていたPatagoniaのフリースが本気度を物語っているようでもありました(笑)
 
釧路湿原・達古武キャンプ場、鹿肉ナイト
 

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その日の宿は、釧路湿原内にある達古武(たっこぶ)オートキャンプ場。達古武湖畔沿いにあるキャンプ場で、売店やシャワー室も完備され、景観や施設含めて非常に綺麗なキャンプ場です。オフィシャルサイトだけを見ているとやめておこうかなと思うかもしれませんが(苦笑)、間違いなくまた来たいと思えるキャンプ場の1つ。そしてそのキャンプ場で面白い出会いがありました。自分たち以外にも初春の寒い中でキャンプをされている方はたくさんいたのですが、釧路市内にあるカレー屋のご夫婦がキャンプ中で、意気投合しなぜか夕食にお邪魔することに。鹿肉のワイン煮込みとバゲットをごちそうになったんですが、絶品!北海道でも場所や季節にもよるようですが、牛肉よりも鹿肉の方が安いことが多いのだとか。血抜きをしたばかりの鹿肉がスーパーにすぐに置かれるため、臭みもなく非常に安いのだとか。この旅では結局、熊に遭遇することはありませんでしたが、鹿には何度も遭遇して車でも何度もひきそうになりました…。北海道では鹿は鹿害(「ろくがい」と読むそう)と呼ばれることがあり、駆除されたり、一方で保護されたりを繰り返しながら共存してきたよう。実は、駆除して食べるという人間の関与も、実は大きな生態系の一部であるのかもしれませんね。ヤリタさんご夫妻、ご馳走さまでした!釧路市でカレーを食べたいならばぜひこちらに。「イッケンヤカレーコミン
 
確かに旅情を感じた、知床
 

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そしてもう1つの目的地、知床エリア。釧路からまず標津町へ。標津町からはなんと北方領土の国後島が見え、廃屋が目立ち始め、少しずつ旅情感という名の最果て感を少し感じてしまいます。そして、標津町(しべつちょう)を経由して知床峠へ。知床峠は10月下旬から4月下旬まで雪など激しい気候変化のため不通となっていて、毎年GWを目指して開通するよう。GWでも側道には約1m程度の雪が積もっていて、夜の寒さを物語ります。
 

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アイヌ末裔の宿、「酋長の家」
 

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知床峠を越え、本日の宿である「酋長の家」へ。前日にお世話になったイッケンヤカレーコミンのお二人にオススメされた知床峠を越えたウトロ地区の宿。名前の通りですが、アイヌ民族の末裔の方が運営されている宿で、このお母さんの母に当たる方が実際に阿寒湖でアイヌの酋長をされていたそう。アイヌ民族のことは恥ずかしながら何にも知りませんでしたが、お母さんから聞いた、アイヌが自然と共に歩んできたこと、その暮らし方と哲学には興味を持たざるを得ません。今ではアイヌ語を喋る者はご家族内にはいないとのことですが、アイヌを含む北海道の民芸品を多く取り扱うショップが宿に併設してあり、古い木彫りの人形から、Oki Dub Ainu Bandなどのフェスにも出るような音楽までが置いてあり、アイヌの一端をカジュアルにも知ることができます。お母さんは、仕入れのために自ら東京に出ることもあり精力的に倉庫巡りをされているそうで、LCCが多くなってからより飛び回っているのだとか。今回は、残念ながら素泊まりプランにしてしまったのですが、食事(もちろん、アイヌ料理!)が知床ウトロでも随一らしいのでぜひとも体験してみてください。
 
さて、最終回はアウトドアの話を少しと、北海道で出会ったクリエイティブカルチャーをメインにご紹介したいと思います。
 

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PART3 はこちらから
guesthouse_banner旅のお供に、札幌のゲストハウス紹介ガイドもぜひ、合わせてご覧下さい。

TEXT: KEI FUJIEDA

PHOTO: KOTARO MATSUMOTO
※この企画で出会った全ての方々、ご協力頂いた方々に感謝いたします。